音楽オンチだからピアノの上手い・下手はわからない、このように考えている人はいませんか?
ピアノ初心者の人はもちろん、ピアノ経験がない人に、ピアノの上手い・下手を区別することは可能です。
この記事ではピアノ講師の立場から、ピアノの上手い・下手はどこが違うのか、区別する3つのヒントを紹介します。
楽譜通りでミスがないのが大前提
音楽性や表現が大事と言われつつも、楽譜通りに演奏できていて、音ミスがないのが、上手いピアノ演奏での大前提です。
音楽高校や音大のピアノ試験では、音ミスがないかどうか、楽譜通りの強弱表現で弾けているかどうかをまずチェックされます。
音ミスなく完全ノーミスでピアノ演奏することはベテラン演奏家でも大変困難です。
左手の伴奏音が一部分からなくなって欠損したり、似たような音楽を1小節、2小節飛ばして弾いてしまうことも、よく起こります。
途中でつっかえたり止まったりするような演奏は上手いピアノとは言えず、ピアノ経験のない人でも下手な演奏だとすぐに分かってしまいます。
音ミスを少しでもなくすため、ピアニストは毎日、ていねいな練習を積み重ねます。
倍音が多く豊かな響きに聞こえる
楽譜通り間違えずに弾いても、味気なく物足りなく感じるピアノ演奏もあります。
音の響きがぺしゃんこで、ふくよかさに欠ける場合です。
このようなピアノ演奏も、初心者や未経験者でもすぐに下手なピアノだと気になり、楽しく聞くことが困難になってきます。
上手いピアノ演奏の条件で、一見一聞して音の響きが豊かで、ふくよかさや心地よさが感じられるのが上手いピアノです。
人間の耳には聞こえにくい「倍音」(ばいおん)という周波数の音が多く含まれると、ピアノの響きが豊かになると言われています。
脳のアルファー波などが刺激され、まっすぐ心に届く音が、上手なピアノ演奏の条件です。
ピアノ演奏の上手い下手と好き嫌いは違う
ピアノ演奏の上手い・下手と、好き・嫌いは別問題です。
上手い・下手は誰から見ても客観的に評価されるもので、好き・嫌いは聞き手の好みに大きく左右されます。
たとえば世界的な有名ピアニストにマルタ・アルゲリッチという人がいます。
世界最高レベルに上手いピアニストで、多くの難曲でも弾きこなし、各国でのコンサート経験やCD録音があります。
しかし筆者はこのピアニストの演奏があまり好きではありません。
速弾きすぎて、何を弾いているのか耳がついていけないからです。
同じ日本人ピアニストの辻井伸行さん、仲道郁代さんなどの演奏の方が、聞いていてしっくりきます。
誰にでもピアニストの好き・嫌いはありますが、上手い・下手はどれだけピアノを自由自在にあやつる能力が高いかが基準になります。
上手いピアノ演奏を聞き分けられるようになり、好みのピアニストを探すと耳が肥えてきます。
まとめ
ピアノの上手い・下手はどこが違うのか、区別する3つのヒントをお伝えしました。
ピアノ初級者・中級者までは、とにかくきちんと楽譜通りに、きれいな音で演奏するよう心がけてください。
上級者になると、楽譜通りに弾くだけでも困難になってきます。
和音、連打、ペダルなど、ピアノテクニックの問題が複合的にからみあう場合もありますので、1つ1つの課題にていねいに向き合うと良いと考えています。
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