ピアノの弾き方には独特のテクニックがあります。
一人分の人間の脳で、一度に何パートも弾き続けて、たくさんの音を鳴らすからです。
この記事ではピアノ講師の立場から、ピアノの弾き方とテクニックを、3つのルールに分けて解説していきたいと思います。
目次
手や腕の移動距離を短くすると効果的
隣の鍵盤の音を弾くときは簡単なピアノも、遠くの鍵盤に素早く移動する時には、誰でも演奏困難な状態におちいります。
ピアノの弾き方とテクニックでは、手や腕の移動距離を、できるだけ短い動線になるように工夫します。
ピアノの鍵盤の仕組みも私たちの体の仕組みも、直線運動で動かすことはできません。
手首をグルグル回したり、ひじを中心に前腕を回転させるように、円運動を意識しながら鍵盤移動の最短距離を見つけるようにしてみてください。
移動する距離が長ければ長いほど、時間が短ければ短いほど、演奏は困難になります。
小さい円運動をゆっくり行うのは簡単ですが、大きな円の一部の弧を正確に描く方が難しいからです。
ドの音から1オクターブ高いドに移動する時には小さな円運動ですが、2オクターブ高いドまで飛ぶときには、直線と間違えてしまうほど大きな円の弧の一部を手や腕で描くことになります。
円の弧を正しい軌跡で描けるよう、身体での経験を通して、テクニックを身につけていくのが原則です。
きれいな音、にごらない音で弾くテクニック
1つだけの単音を鍵盤で鳴らすだけなら、誰でもピアノできれいな音が出せます。
しかし扱う音の数が増え、足ペダルを踏むようになると、音がたちまち汚く、にごる弾き方になります。
きれいな音か、にごらない音で弾けているか、いつも自分の耳でチェックしながら練習しましょう。
特に電子ピアノで練習している人は、音量を小さくしすぎないように注意しましょう。
音量が小さすぎると、音のアラがかくれてしまい、にごりに注意が向かなくなります。
片手で2声部が弾けないときは両手に分けて
ピアノ独特の難しいテクニックのひとつとして、片手で2声部を弾く場面が多いことがあげられます。
右手の下パートで内声を弾き、上パートでメロディーを弾くテクニックが必要です。
右手のメロディパートの上に、飾りの音を高くキラキラと鳴らすテクニックが出ることもあります。
このように右手だけで2パート同時に弾き分けないといけない場面では、片手ずつに分けて丁寧にさらうようにしましょう。
音楽の内容を上・下パートとも覚えたら、右手だけで2声部、弾いてみるようにします。
左手もバス音だけでなく、アルペジオ和音などを弾く場面が多くあります。
左手だけで弾くのが困難な場合には、両手で音取りをしてみて、できるようになってから左手に移してあげましょう。
まとめ
ピアノの弾き方とテクニックを、3つのルールに分けて解説しました。
2~3人で声部を分担して弾けば簡単なピアノも、一人ですべて弾かないといけないことが理由で、難しくなってしまいます。
手や腕が最短距離を移動すること、音をきれいにすること、声部を両手に分けて演奏することで、演奏困難な場所も弾けるようになってきます。
負担なく楽にできる弾き方はないのか、さぐりながら練習するよう心がけてみてください。
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