ピアノコード、基本の形はわかったのに、実際の伴奏ではどう使ったらいいかわからない・・・なんて人は多いのではないでしょうか。
コードの転回形の作り方にはちょっとしたコツがあるんです。
ピアノコードの転回形について、解説書を読んでもよくわからない・・・なんて人でも、簡単にスッと頭に入る覚え方について書いてみようと思います。
目次
バス音は転回しない場合が多い~ピアノコード・転回形の覚え方・コツ~
コードが書いてある伴奏をピアノで弾く時、バス音(ルート音と言われることもあります)は変えないで弾く場合がほとんどです。
手元に5線の伴奏楽譜、コードネーム、両方書かれた楽譜があったら、ざっと目を通してみてください。
風変わりな響きのする曲でも最低で半分以上、ノーマルな響きなら8~9割のバス音(ルート音)は、コードネームの根音のままで書かれてあるはずです。
Cと書いてあればバス音は「ド」、A♭7と書いてあればバス音は「ラ♭」という具合です。
物理の授業で学んだ人も多いと思いますが、低い音は太い弦を幅広く張ってはじいた時の音なので、実際の波形も幅広になり、上に乗っかる和音の波形を包み込むような格好になります。
上に乗る和音は、多少転回させてどの順番に変更させても影響が少ないですが、バス音を別の音にしてしまうと響き全体の印象が変わりすぎてしまいます。
バス音はコードネーム通りのA、D♯7など、アルファベットだけを拾い読みして、左手で低めの音を拾っていけば大丈夫な場合が大半です。
必要なのは「密集」「開離」の違いだけ!~ピアノコード・転回形の覚え方・コツ~
コードというより和声音楽の専門用語なのであまり見かけない人も多いのですが、和音については「密集」「開離」(かいり)の2つの和音感覚だけ覚えていただければ、転回についてはオッケーです。
「密集」というのは文字通り和音が密集した状態で、コードの基本であるC「ド・ミ・ソ」、A♭「ラ♭・ド・ミ♭」は音と音の間が比較的くっついているので「密集」となります。
「開離」は「ド・ソ」と下から重ねて、その上に「ミ」を重ねるくらい音と音の間があいた状態です。
この場合の「ド・ソ・ミ」は、ドとミの間が1オクターブ以上も空いてしまい、両手を使わないと弾けない人が多いですよね。
しかし和音は基本的に「密集」より「開離」で弾いた方が、音の響きがきれいに聞こえます。
下の音から重ねるように、次の1,2をピアノで弾いてみてください。
1.密集 左手バス音「低いド」、右「ド・ミ・ソ」・・・右手は片手で弾けます
2.開離 左手バス音「低いド」、右「ソ・ミ・ド」・・・右手は片手で弾けないためペダルを踏んで1音ずつ弾き足します
(1と2の「ミ」は同じ鍵盤の場所)
「2.開離」の方が、和音全体の響きがくっつかず、きれいに溶け合うと思います。
どの和音も「開離」になるよう和音を拾っていくと、きれいな響きに聞こえます。
同じ音を上下に重ねない~ピアノコード・転回形の覚え方・コツ~
開離の例をもう一つ追加します。
2.開離 左手バス音「低いド」、右「ソ・ミ・ド」(ソとドの間は1オクターブと4音)
3.開離 左手バス音「低いド」、右「ド・ソ・ミ」(ドとミの間は1オクターブと3音)
3の例では、左のバス音「ド」のすぐ上に、もう一つ「ド」で同じ音が乗っています。
和声の世界ではこの響きが嫌われていて、同じ開離でも2の方が良い音とされています。
やり方は簡単で、ミとミ、ソとソなど、同じ音を直接乗せず、間に何か別の構成音(Cならドミソのいずれか)をはさんであげればオッケーです。
絶対にやってはいけないというほどでもないですが、音を出してみて「変」と思ったら別の組み合わせを試して見る・・・なんて気楽な覚え方で全然構いません。
まとめ
和音の転回形は、コードネームが書かれてあれば気軽にチャレンジしていけます。
バス音は変更しない方が無難ですが、他の音はどういう順に並べても、聞こえた感じが自然であればオッケーです。
音のくっつき具合、離れ具合を見ながら、いろいろ鳴らしてみてください。
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