ピアノでむずかしい技術のひとつに「連打」があります。
鍵盤を下に下ろしたあと、元の位置に戻ってからでないと2回目、3回目の鍵盤が下ろせないため、ピアノなど鍵盤楽器が最も苦手とする技術のひとつです。
小学校でやったリコーダーでは「トゥトゥトゥトゥ」と舌だけで同音を出せたのですが、ピアノでは1つの鍵盤の上げ下げを必要とし、物理的に困難なのです。
この記事ではピアノ講師の立場から、ピアノにおける連打、弾き方のコツ3選をお伝えします。
中指、薬指から始めるのがコツです
中指を「3」の指とすると、3つの音を連打するとき「3,2,1」の順で連打するのが弾き方のコツです。
「2」は人差し指、「1」は親指です。
薬指を「4」の指とすると、4つの音を連打するとき「4,3,2,1」の順にするのが弾き方のコツです。
ピアノでは上腕を内側に引き寄せるより、外側に張り出す方が自然に動かせます。
そのため上腕を外側に張り出しながら「3,2,1」「4,3,2,1」と弾くのが連打の基本です。
右手はもちろん左手の連打もこの指使いで行います。
3つの音、4つの音を連打で一気に引き切ろう
ピアノの連打では、3つの音、4つの音を一気に引き切ることが大切です。
1拍の中に3つ、または4つの音がまとまって入るのが弾き方の特徴です。
この時、指先は3回(または4回)指を変えながら打鍵していますが、手首や肘は「1回」しか動いていないのが連打の最大のコツです。
手全体、それから肘先の前腕を1回だけ放るように鍵盤上に落下させ、「3,2,1」「4,3,2,1」と指先だけそっと変えながら「ラララ」「ララララ」と弾いていきます。
3つまたは4つの音をひとまとまりに弾くには、重力奏法の腕の重みが必要です。
重力奏法の腕の重みを利用しよう
日頃から重力奏法で腕の重みを利用できている人は連打も上手くできますし、重力奏法が身についていない人は連打も苦手になります。
連打を上達させるためには、まず腕の重みが指先に正しく乗っているかどうか、確かめてみてください。
腕は肩から先ではなく、肩の前、下方にある「鎖骨」(さこつ)から始まっています。
鎖骨の付け根はのどの根元にあり、腕の始まりは鎖骨からです。
また背中にある肩甲骨(けんこうこつ)も腕の一部と考えてよく、自由に動けるようにする必要があります。
鎖骨、肩甲骨、上腕、前腕などをうまくリラックスさせ、指先に腕の重みを集め、上手に連打できるようにしましょう。
まとめ
連打はピアノの弾き方ではむずかしいテクニックのひとつとなります。
指先に腕の重みを伝える「重力奏法」の習得がカギとなります。
ピアノの鍵盤上でうまくできない人は、テーブルの上でコツをつかんでください。
デジタルはかりの上に指先を置き、指先に重みが乗るのを数字で確認するのも有効な方法です。
テーブルやはかりでコツをつかんだら、ピアノの鍵盤の底でも同じように重みを乗せてみてください。
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